【SZ10TH感想】この瞬間だけを待っていた
まるまる1年前、私が本来城ホールでポップステップしているはずだったその日、目の前で歌い踊っていたはずの彼らは5インチそこらの画面の向こう側に居ました。
毎年決まった季節や日付に大阪で開催してくれるセクシーのコンサートは、私にとってもう何年も大阪城公園の桜や匂いも込みで春の風物詩で。
可愛いワンピースを新調するのもマリウスのお誕生日を一緒にお祝いできるのも何もかもが大事な当たり前だったので、去年は悲しいとか悔しいとか感じる以前にどこかフワフワした感じがしました。違和感、カレンダーが虫に食われたような虚無感。
そしてジャニーズ界隈に留まらず「いま・ここ」なライブ体験だけを唯一の原動力にして平凡な日々を生きていた私にとって、手元のチケットを四千幾らの紙切れに戻すだけの毎日は想像以上に退屈でつまらなくて、つらかったです。
そんななか偶然にも私がコンサートに入るはずだった3/29に、Sexy ZoneはHappy Live with YOUと称してだだっ広い横浜アリーナを使って無観客で配信ライブをしてくれました。極め付けに手の洗い方までご教示頂く手厚さ…
いつもコンサート(特にジャニーズ界隈)に立ち会っている瞬間、客席に居る自分という存在のモブさというかちっぽけさを良い意味で痛感して、その無力さを良いオカズに目の前のステージと彼らに圧倒される…みたいなドM気質な楽しみ方をしている私。
一面のペンライトの海の確かに一構成員ではあるんだけども、彼らの事を応援して今ここに居る人間がこんなにも存在するのか…凄い……みたいな。
だけど、当たり前だけど無観客だから会場には黄色い声も揺れるペンライトも見当たらない、ステージに立つ4人以外にあの空間を底上げるエネルギーを感じない、無機質さと歯痒さが一気に押し寄せてくるような気持ちになって、ちっぽけな私だってあのコンサート空間では大事な存在だったんだ、って皮肉にも認識せざるを得ませんでした。
そんななかでもSexy Zoneの4人は、画面の向こうの私に向かって元気だけを与え続けてくれました。せっかく久しぶりにライブが出来るんだから、合同企画で他G担にアピールできるチャンスなんだし斜め上の意外な選曲で驚かしたって良いのに、全Gのトップバッターを務めた4人は、視聴している全ての人間に元気を与える選曲をしていたように思えました。
だから、だからこそ大名盤『POP×STEP!?』がついぞ配信で幕を閉じると知った時はどうしてもやり切れなくて悔しくて悔しくて堪らなかった。ポプステの曲はセクラバにだけ思い切り聞かせようとしてくれたのかなと思ってたから。ポプステはこれまでのSexy Zoneとは確実に違うアプローチで、彼らの歴史に名を刻むと決まり切っていたから。
ただそれでも、あのアルバムを完全に具現化した配信コンサートは最高のもので、あらゆる可能性を失ってヤケになっていたあの頃の私にはとんでもない救いで、とても有難かった。
1年も掛けて作り上げたものがたった3日で終わるのは達成感もありつつ寂しい、と勝利がこぼしていた(Web参照)のが凄くよく分かる。やっぱり、これだけの時間と労力を割いて生み出してくれた唯一無二のステージが配信で終わってしまうのは、どうしても勿体なかった。
私だってメチャクチャ寂しい。何もかもを諦めたって、本当にずっとポプステに立ち会える瞬間だけを楽しみに過ごした半年間だったから!
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2021年3月26日 17:00
Sexy Zone LIVE TOUR 2021 SZ10TH
初日 大阪城ホール
10周年アニバーサリーツアー初日公演。
この日本に、世界に、地球に、Sexy Zoneが生まれてからの年月が秒単位で可視化されて目の前で刻まれてた。私はこのうちの何秒間、彼らを愛して過ごしてきたんだろう?そんなことが頭に浮かんで、姿を見る前から思わず涙が溢れてしまったけど流石にグッと堪えた。ちょっと待てい、まだ泣かされて堪るか!今日はまず思い切りはしゃいで楽しむって決めたんだから。そんな気持ちで泣くのを我慢した。
今日の日付がデカデカと記されて、今日今この時が特別な瞬間なんだと実感させられたと思えば、立ち代わってメンステスクリーンに現れた“LET'S MUSIC”の文字。
アニバーサリーコンサートをホヤホヤの新曲から始めること、およそ2年ぶりの有観客コンサートの1曲目タイトルが「LET'S MUSIC」であること。
今のご時世どうこうとかあれやっちゃダメあれしなきゃダメとか、そういう全てのしがらみを取っ払うシンプルながら、この空間に一番ピッタリな文字列。
LET'S MUSIC、俺たち準備万端。
なら私たちだって準備万端!
その何もかもがあまりに粋でカッコよくて、ベソ泣き寸前だった私の涙も思わず引っ込んだ。だってSexy Zone、再会があまりにかっこ良すぎる。でしょ。
配信で見納めだと思っていた耽美で華やかなセットが目の前に還ってきたと思えば、そこからはポプステ/ぺじ/リペ/STAGEと、この10年間を順番に、記憶に新しい順に巡っていくようなセットリストと演出。私たちと5人の記憶、歴史はお揃いのものなんだとハッキリ分かるようになぞってくれる大切なコンサート体験に、感謝が止まらなかった。全ての景色をフラッシュバックさせながら、同時に目の前の今を必死で焼き付けた。5人も、4人も、3人も、同じように愛してくれてありがとう。5人がそうなら、私たちにとってもそうだから。
ケンティーが楽しいって言ってたのがよく分かる。だって恋はじ、ステージのメンバーと客席の私たち全員イキイキしすぎ!PEACH!もリペの時よりガチガチに作り込んでて、彼らのこの曲に対する本気具合が伝わって可笑しかった。楽しかった。
私がポプステ配信ライブでひとつ大きな大きな心残りだったタイムトラベルを、こうして衝撃と納得と一緒に生で聴けたことが本当に嬉しかった。ポプステで最初から今までずっと一番好きな曲。目の前のセンターステージで4人が翻るように順繰り巡りながら歌ってくれて、その素敵な紫色のベスト衣装も相まって結局今ツアーでもハイライト的に大好きなパフォーマンスになりました。“このまま君を連れ出して” でしっかり手を引いて連れ出してくれた風磨くん、本当狡かった!
麒麟の子 / Honey Honeyはリリースが2019年秋とコロナ禍以前だったから、どちらも生でのパフォーマンスは初めてというのが少し不思議に思えるほど耳や体に馴染んでいた二曲で。それでも、聡ちゃんの居ない間にリリースされた全楽曲のうち一番聡ちゃんのパフォーマンスを切望していたハニハニが観れて最高だった。両A面だからセトリ入りして当然顔で当然、なんだけど、予期していないタイミングで(忘れた頃に?)ケンティーがスイートに歌い出すもんだから、思わずワーゴメン!!待ってた!!って慌てた。
完成し切ったハスキーをリニューアル、地で高音を行く風磨くんが畳み掛ける至高のwhy?、いちばん大事な夏を懲りずに擦ってくれたMy Life、あざとくてなにが悪いの?の祖である念願のCANDY、これが待ち遠しかったんだよなってメンバー/セクラバで意思疎通し合ったMermaid。
各々のソロをメンバー全員がステージに上がって披露する形式に、周年やアニバーサリーを感じるのは英才教育的に仕込まれたもの(参照:アラフェス)なんだけど、バックという形じゃなくあくまで全員でパフォーマンスする事にひとつのアイデンティティを見出したのはSexy Zoneの偉大な功績だなあと5年前を懐かしみながらのソロコーナーだった。今回それぞれがした選曲も、個の持つメインカラーがいちばん綺麗に投影された楽曲て感じがして、だから余計にそれを全員でやるって形が生きてて良かったな。だって、現世で自担のCANDYが観れるだなんて思ってなかったし…!
ここにマリウスの楽曲を交えられたら…って、隙間に寂しい気持ちが生まれたのを瞬間的に掻き消して目の前のステージに集中したんだけど、そういう受け手の感情を絶対に想像して返してくれるグループだからやっぱりそういう心配はちっとも要らなくて。
間を開けて、だだっ広い会場に4人が散らばって歌ったマリウスのソロ曲 “all this time” 。ポプステの配信でマリウスが4人を想ってSexy Zoneの為に歌い上げた曲を、今度は4人がマリウスの為に大事に大事に歌ってた。マリウスの歌声も聞こえた。5人で歌ってた。
あたたかいオレンジに包まれた会場で、そこに居るすべての人が1人のことを想う時間があった。
順番前後してしまうけど、満を辞してのライネクが本当にかっこいい以外の形容が思い浮かばなくて、今回はこのパフォーマンスが観れただけでもチケット代がゆうに元取れてしまってかたじけないくらいの気持ち…。RUNがリリースされた時も口酸っぱく言った気がするけど、私はこの曲がSexy Zoneのもの、財産で本当に嬉しい。
余談ぽくなるけど、ライネク前やPEACH!寸劇前なんかのコンサートのセクションごとの繋ぎがどんどんカッコ良くて素敵になるな〜と思った。息つく間もなく、行間までも一要素として完全に魅せ切る演出に流石だ…って感心しっぱなしだった。
歴代衣装が散りばめられた中で畳み掛けられるSexy Zoneのこれまでの代表曲たち。近年のハイセンスで前衛的なSexy Zoneの楽曲が大好きで、毎度そのブラッシュアップっぷりにドキドキさせられっぱなしの私だけど、やっぱりこのへんのメドレーはセクシー原体験ともあって息がしやすいというか、俄然居心地が良くて。声が出せない分沢山踊った!
泣かないって決めてたのに!って悔しそうに、でもこれは嬉し泣きだよ!って嬉しそうに、スポットライトの外で全メンバーの挨拶に深いお辞儀を添えて私たちに何度も感謝を伝えてくれた聡ちゃんの復帰後初有観客の場に立ち会えて本当に良かった。聡ちゃんにおかえりを伝えられて嬉しかったけど、私より何よりメンバーがずっと楽しそうで嬉しそうだったのが、これまた嬉しかった。
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本当に純粋に誰かを「応援する」気持ちってこれなんだろうなーと、止まらない涙もほったらかしてRUNで外周を駆け抜ける4人を見てて思った。
リリースされてからの1年間、擦り切れるって表現がしっくり来ちゃうぐらい何度も聴いては励まされてきた大事な曲。何度もお預けを食らって、やっとできたコンサートでのRUN体験、それが今日で良かったなと思えてしまうぐらい最高のものだった。やっぱり私はRUNが好きだ。一番好きだ。
彼らの力の限りの疾走を、泣かずに見届けられる訳がなくて。反射的に勝手に涙がポロポロ出てくるんだけど、感動とはなんか違くて。息を上げて少し苦しそうに、それでも清々しい表情で疾走する4人に対して、「いけ、いけ!」って、「止まらないで!もっと行っちゃえ!」って、歌詞の通りの思いがグワーーっと私を急き立ててた。
溢れて溢れてしょうがないSexy Zoneへの愛情で焦燥しきってて、あの時わたしの心も4人みたく必死で走ってたのかもしれない。
スクリーンに大きく映っては消えていくSexy Zoneのこれまでの軌跡。私がSexy Zoneと出会う前のものも、出会ってからのものもあって。今ではそのどれもが私にとっても感情移入して泣けるほどの大事な思い出だけど、その素敵な演出をちっともまともに見る事なくダメにしてしまった。
だって、目の前で歌う4人からひと時も目が離せなかった。俺たちの最新最高は今だと、確信せずにはいられない表情。
10周年の記念コンサートでさえ私たちに『君らしくいる』事を願ってくれるSexy Zone。
そして“With you”と何度も何度も声高に叫び歌って、メンバーだけでお祝いしたっていい10周年に私たちを混ぜてくれた。5人はいつだって歩幅を合わせて、一緒に歩んでくれる。
ファンが声を上げたり動きかけて大きな仕事が舞い込んだりチャートや記録に名を残したり、一つの応援スタイルとして確立されている形。
そうして数字や快挙、地位や名誉みたいに分かりやすく大きなものをすぐ返せたらどんなに良いだろうと永遠に思っているし出来る範囲でそれを目指しているけど、本当は5人がどんな時も私たちに与えてくれる優しさと同じだけの優しさを返せたらいいのに。
自分を大切に懸命に生きる日々の中、ささやかな活力や希望としての存在意義を提示し続けてくれるような彼らが持つ優しさやおおらかさは、どうしたら真似できるんだろう。
起きた偶然を、自らの手で必然へと塗り替えられる力を持つグループです。
その証拠に、5人はこのやり切れなかった1年間にちゃんと意味を持たせてくれた。5人にとっても、私にとっても意味のある時間だったと確かに思わせてくれた。希望だけを掻い摘んで、与え続けてくれた。
“笑って泣いたんだ” “枯れても咲いたんだ”
対なようで実は隣どうしなその両面を、どちらも受け入れて大事に抱き留めて進んだ未来がどうかなるだけ明るくありますように。これ以上ないくらい光に満ち溢れて居ますように。つらいことは、何も起きないで。なんだって越えていけると、もう分かっているから。
“僕たちとあなたの10周年”
だと、涙で詰まらせながら伝えてくれた言葉と気持ちをずっと忘れないでいます。
この先もっと5人綺麗にでっかく咲こうね。
どうか、それを眺めていさせてね。
改めて、10周年おめでとうございます。
そして最高のコンサートをありがとう。
この世界のなによりも優しくて、強くて格好良くてお茶目でキュートで、セクシーな5人を好きでいられる私は幸せものです。
Sexy Zone、心から愛してる!