『HAPPY END』について喋らせて
我らがSexy Zoneのニューアルバム『POP×STEP!?』から菊池風磨くんソロ曲『HAPPY END』について色々書き留めておきたい昂りが幾つもあって、今日はそのお話し。
今日といっても、アルバムを引き取って初めて聴いた瞬間から「…!!?」が沢山あって、今日に至るまであらゆる外部情報をシャットアウトしてこの記事を書いていました。後半に歌詞のことぐるぐる考えて私なりの見解をしたためてみたりしたけど、何処かで正解が出てしまっていたりしたら恥ずかしー!
でも、私にとって特別の詰まった1曲になったので少し喋らせてくれ!
まず、2017年に生まれた風磨くんのソロ曲『My Life』これが私の性癖にブチ刺さり、過去1キターーー!を思わず叫んだ。サマパラやリペコンなど場所を変えて聴いてきたけれど、やっぱりあのチャラさと上品さを兼ね備えた、夏の裏側というかディープな曲調が風磨くんそのものて感じがして私は大好きで。
そしたら次年、リリースされたのは『Cocoa』。おやじとの共作とミドルテンポで繰り出される押韻のヒットパレードみたいな秀逸ラップ、ニキのソロ曲を思わせるライブパフォーマンスにまたしても過去1キターーー!を叫んでしまったのである。
そして来たる2020年、今作『POP×STEP!?』の特設サイトで公開されたクレジットを見るや否や、私は卒倒した。
作詞:Rachel / Mamiko / Fuma
OH MY GOD。いやあ、その通り直訳である。神が降臨なすった。なぜならば、風磨くんと共に作詞を担当した2人は、私が愛してやまないフィメールラップデュオ・chelmicoの2人だからだ……………。
(作曲の三毛猫ホームレスってテクノユニットも、普段からchelmicoにトラック提供したりしているんだぜ!)
らじらー時代にchelmicoや2人の盟友であるiri(昨年の『PAGES』で「make me bright」詩曲担当)を選曲したり、風磨くんの主演舞台を2人が観劇したりと前々から交友をチラつかせていたものの、ガッツリ一緒に仕事する(しかもソロで)とは思ってもいなかったもんだから私、聴く前から過去1キターーー!を繰り出してしまいました。
※ここまでくると分かるんだけど、いちいち何かを引き合いに出して張り合わせないと愛情を語れない天邪鬼なんですが、結局どれも全曲1番好きですね…………すみません………
そんなchelmicoの魅力は沢山あって、レイチェルとまみちゃんの歌声もラップもそれぞれ全然違うのに、2人の声が重なった瞬間びっくりするぐらいのシンクロを魅せるところが最大の魅力だと思っていて。百聞は一見にしかずなので、とりあえず私の再推しメジャーソングを聴いてくれ!!
もっぱつ私のいちばん好きな曲も聴いてくれ!!
最高でしょ?
ヒップホップあんまり聞かない人の為の入門書になってくれそうな最新アルバムの『fishing』も、カラオケで歌ったらベロ噛み切って死んじゃいそうな新曲「Easy Breezy」も最高だよ!
とまあこんな感じでchelmicoのラップも歌も大好きで、本人たちも愉快で本当にナウくて楽しいおねえさんたち!2人とも溜息出るほど綺麗なのに気取ってなくて、クレバーでめちゃくちゃオモロい。ライブも自由ですっごく楽しいよ。
本当、せくぞや風磨くんを入り口にしてchelmicoを知った人たちも皆んな一回遊びに行ってみてほしい。
とは言いながらどんどんチケットは取れなくなってるんですがね…ハハハ…
で、そんなchelmicoがパーソナリティーを務めるTBSラジオ『でも、まだ土曜日』(20:30〜21:00)に風磨くん、コメント出演したんですねー!電波に乗ってまたしてもコラボ!めでたい!真海子呼び滾った…!
そこで風磨くん自身も言ってたように、今作「HAPPY END」はchelmicoの節が効きに効いていて。曲調は私も大好きなミドルテンポでゆったり進んでいくんだけど、(似た曲調だと「ずるいね」https://youtu.be/zD3wlnvXYBkや「Balloon」
https://youtu.be/tflBLxwCWb8があるよ)
リリックの語尾のニュアンスとかイントネーションとか、アクセントの入れかたなんかに風磨くんのchelmicoらしさを残したい気持ちが凄く伝わってきて、これでこそコラボぢゃん…て感激しました。
風磨くんは自分のエッセンスを入れる伸び代もあるように思えたって言ってて、それもまたその通りで。風磨くんの歌う歌にある良い'"クセ""が嵌る余白がちゃんとあって、しかもそんな風磨くんの湿った歌声の裏で重なる2人のコーラスに、ちょっと泣きそうになりました。自担にしろ何にしろ、どうも好きと好きが交わりやすい人生、嬉しくって仕方がない。
改めてchelmicoの2人、それから風磨くん、最高の1曲をどうもありがとう!ツアーで聴けるのとっても楽しみだ!
さて、こっからは曲の歌詞について考える事が多くて、私なりに敢えて散らかしているであろう有耶無耶を払ってみようかなと思います。
まみちゃんとレイチェルのツイートから分かるように、この曲は三視点を持って語られるストーリーなんですね。しかし考えれば考えるほど謎が多くて、遅筆のせいで後出しになっちゃうの覚悟して他の方の考察は読まずに考えたんですが、結論から言うとハッキリと分かりませんでした!^_^ 今から皆さんの考察めっちゃ読む!
ーーー
まずは登場人物から。きっとその三視点は
①ぼく ②君(彼女) ③君(浮気相手)
なんじゃないかなあ…?と。
で、ここから曲の構成とは違った順で歌詞の意味を読み解いていこうと思います。
曇りも雨も晴れも風も楽しめるさ
君といればそう
溶けてしまえているような気がしてる
合間ぬって会う夢中な2人 blow up
聞かないようにして
知らないようにして
早いもんで、もうこんな季節
互い認め合うまで
どれくらい待てばいいの?
ここはおそらく③君(浮気相手)の感情。聞かないように/知らないようにしているのはきっとお互いにで、ここから浮気相手にも付き合っている別の相手が居るのでは無いかと思いました。互いに恋人がいる状況で、その合間を縫って①ぼくと会っている。③君は恋人よりも、一緒に居ると溶けてしまえるような①ぼくに気持ちがある。お互いに認め合う(恋人同士になる)日を待つものの、曖昧な関係は続いている。
白いシーツの海と拭えぬ罪
ただ酔う度に漂う旅路
毎次何分何秒 もうわかんないよ
"明日の君へ"って綴る内容
せめて朝焼けに染まるまでは
迎えのタクシーが来るまでは
ぼくは君を抱いたまま
you say "wooo-yia…"
有耶無耶…いっそこのまま…
ここは一人称から分かるように、①ぼくのパートでしょうね。白いシーツ(既視感)で成される罪への罪悪感に苛まれながらも有耶無耶にしたい気持ちから、浮気相手の③君への思いが強いことが読み取れます。「いっそこのまま(②君の事を置いて③君の側に居られれば)」ということなんですかね…?悪い男ですね…………。分からないのが、「"明日の君へ"」何を綴ったのか、そもそもこの君はどちらを指すのかなんです。アーー!難しー!これ本当にrougeの女だったりしてね。そうなると今曲で語り尽くしてない①ぼくの気持ちにrougeで触れられてしまうことによって、いよいよ②君が不憫でならないんですが…………。
あと【ただ酔う/漂う】の韻の踏みかたというかむしろ言葉遊びがメチャ好き。
静かに閉まるドアの音
口には出さないおかえりの言葉
予感振り払う 頭の隅の隅の方
徐々に色褪せる鮮度
寝るの 同じベッド 2人が作る平行線上
別々の夢を見るHAPPY END
バカじゃないの私も どこにも行けないよ
だから今はこのままでいよう…
残るこの部分は言わずもがな、②君(彼女)の感情を表すパートでしょうか。私この部分がものすごく好きで、③君と①ぼくのパートと比べてテンポが上がっているところに②君の余裕の無さが表れているように感じられて、焦燥感みたいなものがよく作り込まれているなあ…と。彼女は③君の存在を確かに意識していて、①ぼくの気持ちが③君にあることを知りながらも別れを恐れて核心に触れられないままで居る様子が伺えます。別々のHAPPY ENDというのも、自分の隣には①ぼくが居る夢ですが、①ぼくの隣には③君が居るという夢の事だと思います。可哀想!!
これが最後の「またね」
しずかにさよなら
ぼくは 君のものさ
君の言葉「嫌いになる前に、」
曲中に二度出てくるこのフレーズ。よくこういう構成の楽曲だと表記を変えてみるとか、分かりやすく区別したりするものだけどこの曲は二人称が全く同じなんだな〜〜?!だから二人称をコロコロ入れ替えることによって、頭から話が二転三転してしまう仕様になってます…….途方もねえよ………
正直各個人ののパートは推測がしやすかったんですが、この共通のフレーズが曲の流れと一緒にどんどん変わっていくので本当に難しい。色々と転がしてみた中で、私が一番好きだったストーリー(独断&偏見)で話を進めてみます!
【一度目】
・最後の「またね」は浮気相手の③君へ向けたもの。
・ぼくは 付き合っている②君のものさ
・②君の言葉「嫌いになる前に(はっきりさせて/私のところに帰ってきて)」
【二度目】
・最後の「またね」は彼女である②君へ向けたもの。
・ぼくは 夢中になっている③君のものさ
・③君の言葉「嫌いになる前に(はっきりさせて/彼女との関係を終わらせてきて)」
きっとね、きっと
明日も会えるよ
ねぇもっと、ねぇもっと
深く落ちていくよ
いっそ、ねぇいっそ
なんて言わない
can you feel
tonight
can you see
tonight
全部で4回出てくるサビとなる主軸のパートの歌詞も、物語を語る上で極端に抽象的に描かれています。きっとここは3人が共通して抱いている感情なのかな?と思いました。風磨くんレイチェルまみちゃん3人の歌声が重なるパートとか、登場人物3人の声に勝手に投影してしまってつらい〜〜〜!!!
「いっそ、ねぇいっそ」に続く言葉は、
①ぼく → ③君のもとへ行ってしまおうか
②君(彼女) → 別れを切り出してよ
③君(浮気相手) → 彼とは別れて①ぼくの所へ行こうかな
みたいなニュアンスなのかなあと。ただ、それぞれが残る1人の事が引っかかっての「なんて言わない」に至るように感じました。
夜明けの街灯に青白く照らされて思う
「引き返そう」なんてさ
whatever… うまく笑えれば
これはどちらに会った夜明けに思い耽る「引き返そう」なのか、ここを明かさない終わり方に狡さを感じますよね。結末が分からない狡さというより、彼自身のどっちつかずな部分を上手くここに隠喩として落とし込む表現に思えて、コイツどこまでも狡いなあ…と。
この"うまく笑えれば"もそうなんだけど、この曲の歌詞はどこもかしこも述語がどう考えても足りてないんですよね。述語の欠如。ここに人物の曖昧さが滲んで、よりボヤかしを鮮明にしていて(矛盾)上手くできてるなーと感心しました。
ここまできて分かるように、きっとこの曲に出てくる3人は誰一人として題にあるHAPPY ENDを迎えることは無いんですよね。クソBAD END。ただそのシニカルな発想がまた風磨くんらしいなあ…としみじみ愛情を噛み締めたあたりで一連の考察を終えました。実際、憧れのお姉さんたちとお兄さんが仲良しの世界線で、そんな大好き同士がアーティストとアーティストとして共作でこんな名曲作ってしまった私が一番HAPPY ENDすよね…あざす…
今回風磨くんのソロ曲の制作陣に大好きなchelmicoが加わっためでたい記念にこの記事の執筆に取り掛かった訳なんですが、アルバム本編にもtofubeatsやラキテ(LACKY TAPES)なんかの大好きなアーティストがゴロゴロ参加していて、めちゃくちゃ幸福度と摂取カロリーの高いアルバムになってます。幸せ〜〜〜〜!!
本当に良いアルバムなんです。せくぞファンだけとは言わずに全オタクに、いや全人類の鼓膜にブチ込みたい。この『POP×STEP?!』が広く末長く愛される、Sexy Zoneにとって大事な1枚になりますように。お仕舞い!